約1900校、34万人弱の修学旅行生が沖縄へ(2020年度)
沖縄県観光政策課の「令和5年度修学旅行入込状況調査結果について」によれば、2020年度、1933校の学校が修学旅行として沖縄県を訪れました。生徒数は339,152人に上り、学校種類別にみるとその約8割が高校生で、残りが中学生でした。学校の所在地別では、東京都、大阪府、神奈川県、兵庫県、埼玉県の生徒で過半数を占めたそうです。
高校の修学旅行の行先として沖縄県が1位(2023年度)
修学旅行先として沖縄県を選択する学校は珍しくありません。公益財団法人 日本修学旅行協会の「2023(令5)年度実施 全国修学旅行調査(中学校・高等学校)まとめ(抜粋)」では、高校の修学旅行の行先の1位が沖縄県、続いて大阪府、京都府、東京都、千葉県、広島県、北海道、奈良県、兵庫県、長崎県となっています。
なお、中学校の修学旅行の行先順位では沖縄県は7位に下がります(公益財団法人 日本修学旅行協会、「2023(令5)年度実施 全国修学旅行調査(中学校・高等学校)まとめ(抜粋)」)。沖縄県よりも上位の行先は、京都府(1位)、奈良県(2位)、東京都(3位)、大阪府(4位)、千葉県(5位)、広島県(6位)です。とりわけ京都府と奈良県だけで修学旅行の行先件数の4割以上を占めていますので、中学校では沖縄県よりも地理的に近く、陸路で移動でき、歴史・文化が学べる場が好まれるのかもしれません。
このように、中学校と高校では修学旅行の行先の順位に差はありますが、日本の有数の観光地と同様に、沖縄県は歴史・平和・自然・文化を学ぶ場としてふさわしいと認知されている可能性があります。
沖縄への修学旅行は1969年の近江兄弟社高等学校(滋賀県)が戦後初?
沖縄への修学旅行は、いつ・どこで始まったのでしょう?竹内秀一の「修学旅行の歴史─修学旅行はなぜ生まれ,どう進化を遂げてきたのか─」(「運輸と経済 第79巻 第6号」、2019年、22~27ページ、一般財団法人 交通経済研究所)によれば、1886年に東京師範学校(同年に高等師範学校に改組,筑波大学の前身)が実施した11 泊の千葉県銚子旅行が日本の修学旅行の始まりとのことです。
公益財団法人 日本修学旅行協会の「教育旅行年報 データブック2024」の 年表(52ページ)には、1969年11月に近江兄弟社高等学校(学校法人ヴォーリズ学園、滋賀県)が修学旅行として沖縄を訪問したことが記載されています。もしかすると、これが戦後の沖縄修学旅行の先駆けかもしれません。